以前、就活とは、
自己分析をして「自分の円を拡げる」、企業研究をして「企業の円を拡げる」、そしてそこでできた接点について企業に面接で志望動機として伝える。
ということであるとお伝えしました。
今回は「企業の円を広げる」ための「業界職種研究」の方法についてお伝えしたいと思います。
是非、学生様の支援にお役立てください。
■業界職種研究の目的
では、業界や職種の研究は何のためにやるのでしょうか?
業界研究の目的は、
各業界のビジネスモデル等の知識を得て、仕事内容をイメージすることで、最終的に志望する企業を研究する精度を上げること
です。
また、職種研究の目的は、
同じ業界の中でもどんな役割分担で仕事を行っているかを知ることで、より自分の強みを活かせる職種を選択すること
です。
もちろん、最終的に志望する企業の特徴をつかむためには、1社1社の企業研究が大切になってきます。
しかし、その前提で、世の中の全ての企業は誰か(顧客)のニーズや課題に対して、何かしらの解決策(自社の商品サービス)を提供して成り立っています。
また、多くの人が抱えているニーズや課題ほど、多くの企業が解決策を提供するので、それらは競合他社となります。
このようなメカニズムをよく「3C分析」と表現したりします。
この3C分析は職種や業界、企業を研究するうえでも大事な分析方法になってきます。
■業界職種研究のコツ
業界職種研究のコツはいろいろありますが、今回は1番大切だと思う1つだけに絞ってお伝えします。
それは、
「偏見やイメージを捨てること」
です。
世の中に無数にある企業を1社1社見ていくと、同じ業界職種なのに、やりがいや求められる能力が全く違うことがあります。
反対に、一見まったく異なる業界職種なのに、やりがいや求められる能力に共通点がある
ということもあります。それはなぜなのでしょうか。
上の3C分析の図を思い出してください。
世の中の全ての企業は誰か(顧客)のニーズや課題に対して、何かしらの解決策(自社の商品サービス)を提供して成り立っています。
つまり、ニーズや課題があるから、解決策として商品サービスが生まれるということになります。
1人暮らしの大学生Aさんという方を例に挙げて考えます。
Aさんは、いくつもサークルや趣味や学生団体を掛け持ちしています。
「貴重な学生生活の間にできる限りの経験をしておきたい!」というとても意欲的な学生です。
でも学生ですから、お金がそんなにあるわけではありません。
少ない仕送りやバイト代をやりくりして、必死に活動資金を捻出しています。
あるときAさんは、もっと資金を捻出するために食費を削れないかなと考えました。
「1人暮らしで、家で食べる食事には正直こだわりないけど、忙しくて自炊もそんなにできてない・・・結局いつもコンビニ弁当やスーパーの総菜を買ってしまって、月3万円くらいと意外と高くついてるんだよな〜」と。
そんなときに、スマホをいじっていたらある広告が目に飛び込んできました。
「食事にこだわりのない1人暮らしの大学生向け!1日あたりたった300円のミールキット」
どうやら、月定額1万円で、朝ごはんと晩ごはんを簡単に作れるミールキットのようです。
とても安い代わりに、バリエーションは少な目、1人の食事にこだわりのない人にとってはこれで十分、というレベルです。
Aさんは、お試し1週間分無料キャンペーンをやっていることもあり、このサービスを試してみることにしました。
誰か(顧客)のニーズや課題に対して、何かしらの解決策(自社の商品サービス)を提供するとはこういうことになります。
ここでは「Aさん」という顧客に対して「1日あたりたった300円のミールキット」が提供されました。
おそらく、Aさんと同じようなニーズを抱えている大学生が多いという調査の元、「食事にこだわりのない1人暮らしの大学生向け」にサービスを開発したのでしょう。
仮に業界に分類するなら、飲食業界(宅食業界)や、物流業界(ネットスーパーなど)になります。
では、このサービスをやっている会社がどんな会社だと想像できるでしょうか。
一般的な飲食業界や物流業界で、このようなサービスをやっているイメージが就くでしょうか?
「若者向けのサービスに関わりたい!」とか、「Webサービスの運営に関わりたい!」と思っている就活生が、飲食や物流業界に分類されるこの会社にどうやってたどり着けるでしょうか?
さらにいうと、この会社は今後高齢者向けやファミリー向けに同様なサービスを展開して、ゆくゆくは飲食や物流よりもIT業界に含まれていくかもしれません。
このように、1人の顧客や1つのサービスの視点で考えたときに、同じ業界職種だから傾向も同じ、違う業界職種だから傾向も違う、とは言い切れないのです。
ということで、業界職種研究のコツは「偏見やイメージを捨てる」ことです。
正しい情報を得て、選択するためには、まずは業界職種に対する知識量全体を増やしましょう。
そのうえで、知っている範囲だけで判断せず、常に目の前の企業に向き合い、
「この会社は○○業界の中でどんな立ち位置なのかな?」
「この会社の○○職はどんなやりがいや求める能力があるのかな?」
と考えることで、その会社だけのやりがいや求める能力を見極めていく姿勢を持つようにするといいかと思います。
■主な業界について
正しい情報を得て、選択するためには、まずは業界職種に対する知識量全体を増やすことが大事になります。
ここでは簡単に、世の中にはどんな業界職種があるのかを確認していきましょう。
まずは、業界についてです。
業界を研究するときには、まずは誰に何をのかけ合わせで整理するのがおすすめです。主な業界を誰に何をのかけ合わせで整理してみたのでイメージの参考にしてみてください。
「誰に」はBtoB(法人向け)かBtoC(個人向け)
「何を」は有形商材(形ある商品)か無形商材(目に見えないサービス)
この2種類だけ押さえておけば基本は大丈夫です。
主な業界を誰に何をのかけ合わせで整理してみたのでイメージの参考にしてみてください。
次に、それぞれの業界の中にはどんな分野があるのか、どんな特徴があるのか、どんな将来性があるのかなどを整理していきましょう。
これは、インターネット上に本当にいろいろな情報がありますし、業界研究の本などもたくさん出ています。
興味を持った業界はできるだけ詳しく、たくさんの情報を得るようにしましょう。
ここで研究した情報をもとに、今まで拡げてきた「自分の円」の部分にかけ合わせて考えてみてください。
自分の円とかけ合わせてどんな業界や職種が向いているのかある程度目星がつけられるだけでも大丈夫です。
【主な業界の特徴】
■主な職種について
次に職種についてです。
日本の新卒採用の場合は、職種別採用だけでなく、キャリアステップを考慮した「コース別採用」を行っている企業も多いです。
まずはコース別採用の特徴についてお伝えします。
そのうえで、実際に世の中にはどんな職種があるのか、なるべく幅広く基礎知識を持つ必要があります。
ポイントとしては、コース別採用の企業であっても実際その会社にはどんな職種があるのかを押さえておくことが重要です。
これ以外にもまだまだ職種はありますので、実際に新たな職種に出会ったらぜひ検索する癖をつけるようにするといいかと思います。
■終わりに
いかがでしたでしょうか。
学生様の業界職種研究の支援に少しでもお役立ていただけたら幸いです。
また、どんな企業や業界を受けたらいいかわからないという学生様もいらっしゃるかと思います。
そのような方には、弊社にて運営しているFutureFinderにご登録をいただけると良いかと思います。
適性診断を受けていただいたのちにご自身の強みに合った企業が一覧で表示されます。
そちらに表示された企業の業界を研究してみるていただけると良いかと思います。