就活生と話していると、
「自己分析が思うように進まないんです・・・」
という相談をよく受けます。
いろいろなフレームワークを調べ、一生懸命ノートに書き出し、
モチベーショングラフを描き、自分史を作り、、、
やるべきことはやってるんだけど、いまいちしっくりくる自己分析にならない。
こんな悩みを抱えている就活生は非常に多いです。
私が今までこのような相談を受けてくる中で感じた
『自己分析がしっくりこないよくある原因』
を3つにまとめたので、
自己分析に悩んでいる学生の相談に乗る際に少しでも参考になれば幸いです。
≪目次≫
・原因①:エピソードに自信が持てない
・原因②:『自分ひとり』で自己分析をしている
・原因③:自分の表す『言葉』がわからない
・まとめ
≪原因①:エピソードに自信が持てない≫
1つ目のよくある原因は、エピソードに自信を持てないことです。
一生懸命に過去のエピソードを書き出しても、
「特別なことしてきてないからな・・・」と独自性のなさに自信喪失する学生が多いです。
では、なぜ学生は自分のエピソードに自信が持てないのか?
それは、エピソードの『事実』にばかり着目してしまっているからです。
エピソードを『5W1H』で分解してみると非常にわかりやすくなります。
※5W1H:When(いつ)、Where(どこで)、Who(だれが)、What(なにを)、Why(なぜ)、How(どのように)
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When~What ⇒やったこと(事実)
Why ⇒動機(価値観)
How ⇒やり方(強み)
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When~Whatまでは振り返りができている人が多いのですが、WhyとHowは意外と抜けがちです。
しかし、面接官は面接において『何をやったか』という事実だけを見ているわけでは当然ありません。
これまでの経験から、どんな『価値観』を持っているか、どんな『強み』を持っているかを探りたいのです。
逆に、どんなすごいエピソードを出してきても、
「なぜそれをやろうと思ったの?」「あなたはどんな役割でそこに貢献したの?」という
あなた自身の『価値観』や『強み』部分の考えが浅いと評価されません。
When~Whatをまず洗い出すことは必要ですが、
そこに固執せず、Why(なぜ)、How(どのように)をしっかりと考えましょう。
一見ありきたりなエピソードでも、そこを考えぬくことでオリジナリティがあり、
企業から評価の高いのある内容にすることが可能です。
≪原因②:『自分ひとり』で自己分析をしている≫
2つ目のよくある原因は、『自分ひとりで』自己分析をしていることです。
自己分析は、実は自分の頭の中だけでやってもうまくいきません。
なぜなら、社会に出ると、良くも悪くも『評価するのは他人』だからです。
面接でも、どれだけ自信のある自己PRを用意しても面接官に伝わらなければ評価されません。
例えば、次の2名の学生のうち、面接でより評価されやすいのはどちらでしょうか?
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【学生A】
私は傾聴力に自信があります。バイトで集客目標を達成するために、お客様の声を聴くように心がけました。
顧客の声をしっかり反映し、要望に合ったサービスを提供できたと思います。
【学生B】
私は傾聴力に自信があります。バイトで集客目標を達成するために、
お客様の声を聴きサービスに反映するように心がけました。
その結果、お客様から「Bくんはすごく話を聞いてくれて楽しいからまた来るね」と
言っていただけるようになり、常連のお客様が増えました。
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【学生B】の方が、なんとなく信ぴょう性がありませんか?
ポイントは『客観性』です。
主観・・・自分はどう思っているか、どんなつもりでやったか
客観・・・他人にはどう見えているか、どう伝わっているか
この2つのGAPを極力小さくすることを意識すると、自己分析の信ぴょう性が増し、
何より自分自身が「これが自分の強み/価値観なんだ!」と自信を持つことができます。
具体的には、他人に「自分のことがどう見えているのか?」を聞いてみることをおススメします。
両親、兄弟、学校の友だち、部活の仲間、塾の仲間、
バイト仲間、サークル仲間、先生、先輩、後輩、など、、、
関係性が違えば自分の見え方も違ってくるので、
複数の関係性の相手に
「自分ってどんな人?」
「自分を単語3つで表すとしたら?」
「自分ってこのコミュニティでどんなポジション?」
と質問してみましょう。
ちなみに私が就活生のときは、
バイトの店長から⇒なんでも任せやすい、ハードワーク、酒好き
幼馴染から⇒安心感がある、苦学生、大食い
と言われました。
私がどんな人か何となくイメージがつきますか?
≪原因③:自分の表す『言葉』がわからない≫
3つ目のよくある原因は、自分を表す『言葉』を知らないことです。
「自分がどんな人か、なんとなく頭の中にイメージはあるんだけど、
これをなんて言葉で表現したらいいんだろう?」
そんな風に悩んでいる人が多いです。
他人にはイメージを共有することはできないので、
『言語化』する力は非常に大切です。
表現ひとつで、相手への伝わり方も微妙にニュアンスが変わってきます。
例えば、目標達成に向けて努力し続けたエピソードから、
『継続力』をアピールするのか
『やり切り力』をアピールするのか
『達成欲』をアピールするのか
『目標へのコミットメント』をアピールするのか
どれをアピールするかによって若干印象が変わります。
継続力・・・コツコツタイプかな?
やり切り力・・・ストイックな感じかな?
達成欲・・・目標への熱量が高いのかな?
コミットメント・・・責任感が強いのかな?
という感じです。
なので、自己分析は、自分を振り返って頭の中で考えるだけでなく、
最終的にどんな言葉を使ってアウトプットにするか?というキーワード選びが実はとても重要です。
では、どうすれば『言語化』する力が伸ばせるか。
コツは、とにかくいろんな言葉に触れることです。
新しい言葉を生み出す必要はないので、頭の中のイメージと既存の言葉を結び付けやすくするために、
自分の中の言葉の引き出しを増やすことが大切です。
おススメの方法は、『適性検査からキーワードを借りる』ことです。
適性検査は、どれだけ精度が高くてもあくまで類型論なので、当たってない部分があって当然です。
正しい使い方は、「あ、ここ当たってるな」という表現を抜き出すことです。
例えば、ジェイックでも『FutureFinder』というスカウト型のナビサイトを運営しているのですが、
この中でかなり精度の高い適性診断を無料で提供しています。
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Future Finder | 人と企業の双方向マッチングサイト
https://futurefinder.net/
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その診断結果の中で『16タイプ分析』というものがあります。
これはまさに類型論で、世の中のすべての人を16タイプに分類しています。
100%当たっているわけではないですが、
このような診断結果を活用することで自分自身を言語化することができます。
下の画像は実際の私の診断結果です。
16タイプ分析のロジックはまた別の機会にお話しするとして、
重要なのは、診断結果の『文章』です。
↓↓↓
このように、一つの結果の中にも「あ、ここ当たってるな」という部分とそうでない部分があります。
(赤線が強みや価値観、青線が弱みとして、実際に私が自分に当てはまると感じた部分です。)
たったこれだけでも、
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■強み/価値観
・好奇心旺盛
・臨機応変
・リスクがあってもとりあえずやってみるタイプ
・やるとなったら自分自身で計画立てて実行までやるタイプ
■弱み
・いろいろ首を突っ込みすぎて中途半端になりやすい
・一人でどんどん進めがちで周囲の巻き込みが苦手
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というふうにまとめることができます。
なんとなく、一貫性のある強みや価値観が見えてきませんか?
ここに実際のエピソードを結び付けていくと、オリジナリティのある自己PRになっていくはずです。
≪まとめ≫
しっくり来る自己分析にするためのポイントは3つでした。
1.エピソードは『何をやったか』に固執せず、Why(なぜ)とHow(どのように)まで洗い出す
2.自己分析は自分ひとりでやらず、周囲の意見を聞いて自分を客観視する
3.自分の強み/価値観をどんな言葉で言語化するかにこだわり、言葉の引き出しを増やす
自己分析に悩んでいる学生がいらっしゃいましたら、ぜひアドバイスの参考にしていただければ嬉しいです。