以前、就活を始めたばかりの3、4年生が「自分に合った企業」を見つけるための方法についてお伝えいたしました。
「自分のことを知って自分の円を拡げましょう。
そして、社会のことを知って企業の円を拡げる。
二つの円が拡がって、そこに接点が生まれる。
接点が大きければ大きいほど、幸せに働き続けることができる。」
という話でした。
今回は、「自分の円をひろげるための方法」についてお伝えしようと思います。
自分の円を拡げるためには、自己分析をする必要があります。自己分析をする上で、自分の強みや価値観を知ることが大事になってきます。
学生が自分自身の強みや価値観について知っておくことは就活においても、非常に重要なポイントになります。ただ、それはむずかしいことです。
強みや価値観は学生それぞれで全く違います。学生にとって、これが正解というものもありません。
私の自己分析と学生1人1人の自己分析は違うし、私が魅力を感じる企業と、学生1人1人が魅力を感じる企業は同じではありません。
今までは、学校の中では、これをやったら正解っていうものが見えていましたが、就活においては、正解自体を自分で決める必要が出てきます。
学生の支援をする上で、このようなことを大事にしていただけると幸いです。
■そもそもなぜ自己分析が大事なのか
それは、自分の特徴や強み・価値観を知っておけば、どんな職種が向いているのかをいろんな企業を見たときに素早く判断ができるからです。
最初は色々な企業を受けることをお勧めしますが、ある程度自分がわかっていれば明らかに向いていない企業を受けるのは効率が悪くなってしまいます。
さらには、正しい判断もできなくなってしまい、学生にとって良い就活ができなくなってしまいます。
もう少し深掘って考えてみると
自己分析をすること=自分にとって良い人生ってなんだろうと考えること
です。
学生の中にはこれから会社に就職をしてお仕事をすることになる方がほとんどだと思います。
そして、30年40年くらいはお仕事をしていきます。
その仕事をしていくうえでは、やっぱり少しでも幸せに暮らしていきたいと感じている方がほとんどだと思います。
自分の人生にとって一番大事なことを見落として、大事ではないことに固執をするのってもったいないです。
自己分析は学生がこれからの30、40年間を幸せに生きる上でとても大事になってくることが分かります。
■自分の強みや価値観とはどのように見つければいいのか
まずは、自分の考えを整理するためにも自分の考えを書き出して頂けるといいと思います。学生さんに紙とペンを準備していただき、こちらの図を使っていただけると良いかと思います。
価値観とか強みがたくさん書いてある図になりますが、まず、この中で「自分に当てはまるなあ、しっくりくるなぁ」というものを、5つ選んでみます。
次に、この出てきた価値観の中で、「特に1番だな」と思ったものを選んでみます。
例えば、仮に、A君に聞いてみたところ「チームワークを大切にする」を選んだとします。
ここから、この価値観を深堀していきます。
ここでのキーワードは「エピソード」と「なぜ?」です。
まずは、その価値観が思い出されるような自分自身のエピソードを考えてみます。
A君は高校時代のサッカー部のエピソードを挙げました。チームのために何ができるかを必死に考えていた部活動だったとのことでした。
その後、エピソードが見つかったらそのエピソードをもとに、「なぜを5回」繰り返してみます。
(なぜ1)チームのために何ができるかを必死に考えていたのか?
→自分がこのチームが好きだったから
(なぜ2)このチームが好きだったのか?
→仲が良くて、一緒にいるのが楽しかったから
(なぜ3)仲が良くて一緒にいるのが楽しいと感じるのでしょうか?
→仲が良いと、チームのことやプライベートのことについてもたくさん話せるから
(なぜ4)チームのことやプライベートのことについてもたくさん話せるといいの?
→そのメンバーの得意なことや関心ごとなどがわかるから
(なぜ5)メンバーの得意なことや関心ごとがわかると良いの?
→そのメンバーの求めていることが分かることによって、自分が叶えられ るように手伝えるから
自分がその人のためになにができるかわかるから。
A君はこのように考えました。
ここまでくると、「相手の求めていることを理解して、それに合わせて行動をして、相手の望みを叶えたい」という自分自身の価値観がわかってきそうですよね。
また、そのために、今まで自分がどんなことをしてきたかを考えると強みに繋がるかもしれません。
■自分の強みや価値観と仕事を繋げて考える
先ほど見つけられた自分自身の強みや価値観を仕事に置き換えてみます。
「もしかしたらお客さんの求めていることを言語化して、それを解決するのが好きなのかもしれない。」ということが分かったのであれば、例えば、「営業職で相手が求めているものを理解する」という仕事が合っているのかもしれません。
また、「解決策を魅力的に紹介することにやりがいを感じる」であれば、「SEとして、お客さんの形にしたいことをシステムで答える」など、そういう仕事も、価値観と近そうです。
今回は学生のたくさんある魅力やエピソードの中の1つの価値観から深堀をしただけですので、必ずしも正しいとは言えませんが、学生自身が強みや価値観を見つける近道になります。
ただ、最初にも申し上げましたがこれに正解はありません。
絶対にこの考え方がいいとか、絶対にNGということはありません。
大事なのは、「これは自分に当てはまっている」と、確信できる理由を自分の中で言えることです。
根拠をもって自分の強み・価値観を伝えられれば、それは紛れもなく自分の一番大事にしているものだと思います。
ちなみに、まだ確信が持てないという学生がいる場合はご友人やご家族に聞いてみたりするのもいいかもしれません。
このように、価値観を見つけてそれにあわせた「エピソード」を見つけ、「なぜ?を5回繰り返して、自分の強み・価値観を見つけてみてください。
■まとめ
いかがでしたでしょうか?
学生さんの中には、「まだ自分の強みや価値観が見えてこないな」という方がいらっしゃるかと思います。
そのような方がいらっしゃったら、繰り返しこの図を見ながら自己分析を進めさせてみてください。
それでも見えてこないなという方は弊社で運営している「FutureFinder」という120問くらいある適性診断を受けていただけると良いかと思います。
学生の強みが出て来たり、その学生の強みや価値観に合った企業が出てきたりするツールがあります。
質問がたくさんある分、受ける価値があると思っていますので是非ご活用ください。