株式会社ジェイックでは、年間300名以上の学生が弊社紹介企業で就職先を決定します。弊社の紹介で就職先が決定した学生には、ファーストキャリアでしっかりと活躍・定着をしていただくために、「内定者研修」を実施しております。「内定者研修」では、社会人になる前につけておくべき心構えや準備など、残りの学生生活を有意義に過ごしていただくためのアドバイスをしております。今回は、内定者研修に参加した学生が学校の就職支援課・キャリアセンター(以下、就職課)をどのように利用していたかアンケートを実施しました。
※2019年卒:回答者数331名 期間2018年8月25日~2019年3月29日 2020年卒:回答者数115名 期間2019年8月27日~2020年1月24日
※弊社就職支援の特徴として、6月以降も就職活動をしている学生が対象となっております。
■オリエンテーションやガイダンス、メールが有効。学内の掲示板を見ている学生も。
オリエンテーションやガイダンスで就職課を知る人が31%と最も多くいました。メールが21%、学内掲示板が17%という結果で、この3つの手段で約7割の学生が就職課を認知しています。
弊社でも、学生向けのDMやメール配信、就職ガイダンスを行っていますが、「これから就職活動を始める。」という学生も少なくありません。
弊社では、就職課の進路調査のはがきDMの送付代行を行い、進路未決定者向けの就職ガイダンスを実施しています。2020年卒では、はがきの送付数に対して、3.1%(2019年5月~8月送付)の学生が就職ガイダンス参加および弊社登録をして、就職サポートにつながりました。
「これまで就職課に来ていなかった学生が、ジェイックさんの就職ガイダンスでは来ていた」というお声もいただいております。
学生が主体的に取りに来るのを待つのではなく、就職課から就職情報をどれだけ学生個人に届けるが、重要になってくるかもしれません。
■就職活動が本格化する学部4年生・院2年生になってからはじめて就職課を利用するが半数。
就職課を初めて利用したのが、大学4年生・院2年生になってからという学生が18%と最も多くいました。学年別で比較してみると、学部4年生・院2年生で初めて利用したという学生が半数を超えています。就職活動がうまくいってない、困ったとなったときにはじめて、就職課を利用するのかもしれません。また、就職課の利用頻度ですが、毎週就職課に行く学生が17%ほどで、3か月に1回程度の学生が25%でした。就職課を積極的に利用する学生とそうでない学生が分かれており、どちらかといえば、利用頻度の高い学生は少ないことがわかります。
また、弊社の就職支援の特徴が6月以降の就職支援です。毎年11月と卒業前の2月には、大学からの就職支援依頼も多くあるのですが、弊社で就職ガイダンスを実施した時にも、ガイダンスが初めての就職活動という学生や久しぶりに就職活動を再開するというお声を多くただきます。
就職課の認知を広げるとともに、学部4年生・院2年生で利用した学生の継続利用・サポートをしていくために何をするかが就職率を上げる有効な手段になるかもしれません。
■就職課サポート利用の入り口は、講座が有効。
はじめに就職課で利用したサポートは?という問いに対して、サポート内容での大きな差はありませんでした。しかし、種類別に見てみると、約6割の学生が「ガイダンス/講座/セミナー」がはじめのサポートでした。「キャリアカウンセリング」や「求人紹介」の学生は、 「ガイダンス/講座/セミナー」の4分の1程度しかおらず、学生にとっては、講座形式での就職サポートのほうが、はじめは行きやすいのかもしれません。定期的に就職ガイダンスを実施するなど、講座を学生が利用したいと思ったタイミングでいつでも参加できる状態を作っておくと学生がこれまで以上に気軽に就職サポートを受けやすい状況になりそうです。
■就職課を利用してよかったことは、「個別に悩みを相談できる」「不安を解消できる」などメンタル面が多い
◆設問:就職課を利用してよかったことは何ですか。(回答を一部抜粋)
・分からないことだらけでも何でも相談できる。
・学内の就活情報サービスの使い方が分かった。
・学内求人の案内。企業以外の相談ができる。
・個別に悩みを相談できる。
・志望動機・自己PRを一緒に考えてくれる。
・自己分析をして、自分に合う企業がわかった。
・OBOG情報が知れる。
・就活の不安が解消された。
・就活の苦手意識をなくせた。
・親身に相談に乗ってくれたこと。
■就職課への要望は、「担当の固定」「面談時間の増加」など、もっと相談したいという要望がある一方で、「何ができるかわからない」「利用しにくい雰囲気」など、利用に至らない理由も明らかに。
◆設問:就職課への要望はありますか。(回答を一部抜粋)
・利用しにくい雰囲気、入りにくい雰囲気、相談しにくい雰囲気がある。
・学内イベント等の告知が少ない。
・相談できる人数を増やしてほしい。
・相談時間を増やしてほしい。
・キャリアコンサルタント系の資格を持った人がいると安心できる。
・担当の人がついて、同じ人に相談をしたい。
・職種や業界に詳しい人がいてほしい。
・何ができるかわからない。
まとめ
就職課に対する学生のイメージは、よく利用している人とそうでない人で、大きく異なっている可能性がありそうです。就職課を利用してよかった声では「親切なサポート」が挙がり、もっと利用したいけれど、面談の枠がなく、利用ができないという回答が目立ちます。一方で、「利用しにくい雰囲気」「入りにくい雰囲気」「どんなサポートをしてくれるか分からない」等、利用していない人は、まず就職課に行くというところにハードルがある印象を受けます。就職ガイダンスや講座等で、就職課の支援を利用するけれども、その後、どんな支援をしてもらえるのかわからないという状態です。何ができるか分からないから、必要性を感じず、就職課に足を運ばない。一方で、就職課に足を運ばないと、最新の求人情報や講座情報を得ることができないのも事実です。
学生に就職課を利用するメリットをどうやって届けるかが重要であると言えるのではないでしょうか。