前回は、就活を始めたばかりの3、4年生が就活を進めるにあたって「自分に合った企業」を見つけるための方法についてお伝えしました。
今回は、就活をする上で一番基本的なことだけど、意外と知られていない、「マナーや第一印象」についてお伝えしたいと思います。
マナーについては企業さんが選考で結構見ているポイントでもあり、
「話していることはすごく素敵なことを言っているのに、マナーがなっていないから…。」
など、細かい点が原因でお見送りになってしまうということがよくあります。
学生が「マナー」という一番基本的なことが原因で採用見送りになってしまわないように支援できるような情報をお伝えしていきたいと思います。
■服装におけるマナー
まずは服装についてお伝えしていこうと思います。
スーツの色は黒が一般的とされています。線が入っているものや色が入っているものは就活の場面では、極力避けるようにしましょう。
靴やベルトもスーツと同様、黒色を着用するようにしてください。また、ロゴのない無地の者を着用するようにしましょう。
靴下はくるぶしよりも上の長いものを履くのが望ましいです。座った時に肌が見えてしまうとあまり良い印象には見えないので、座った時に肌が見えない長さの靴下を着用ください。
女性の場合は黒のパンプスにナチュラルベージュのストッキング等を着用するとよいでしょう。伝線してしまった時用に予備を1つ持ち歩くと良いと思います。
よく、学生からスカートがいいのかパンツがいいのかというご質問もいただきますが、こちらはどちらでも構いません。
また、中に着るシャツ、女性の場合はブラウスを着用することもあるかと思いますが、色は白が無難です。
夏場に、クールビズでの来社を認められる場合もあるかと思います。ただ、ジャケットを着ない時に目立つのはシャツのしわです。しっかりとアイロンをかけて清潔な印象を保つようにしましょう。
■髪型におけるマナー
髪型に関しても第一印象がかなり分かれます。
男性の場合は短髪の黒が基本です。前髪が目にかかってしまう方はワックスなどでしっかり整えましょう。
女性は、髪が長い場合はヘアゴム等で後ろで一つに束ねてあげると良いです。また、前髪が長い場合はピンやワックスなどで留めるようにしましょう。
もし学生の中で、就活に向けて美容室に行かれる場合は、「就職活動にふさわしい髪型にしてください」と注文していただけると間違いないかなと思います。
■挨拶に関して
続いて、挨拶についてです。
挨拶はとても基本的なところですが、挨拶ができないなと思われてしまうと一気に評価が下がってしまいます。
面接をする会社に着いたら、面接官でなくてもお会いした方には必ず挨拶をするようにしましょう。
ここで一番重要なのは、「学生自身から挨拶をすること」です。いつもより少し声を大きめに「こんにちは!」と挨拶をするだけでも印象はぐっと良くなります。
面接会場で実際に面接官と対面した際も同様です。オンラインも同様ですが、学生自身から挨拶をすることが重要になっています。
このとき意識してほしいのは、「分離礼」です。
分離礼とは、言葉とお辞儀を分けて行う礼のことです。分離礼はビジネスでは基本的なお辞儀になるので意識してみるといいと思います。
また、お辞儀の角度にも意味があると言われています。45度が最敬礼のお辞儀になります。
就活中の学生も45度のお辞儀を意識していただけるといいのではないかなと思います。
挨拶のポイントは「自分から」ということなので、就活中の学生にはこちらを意識して頂けるとよろしいかと思います。
■基本的なマナーについて
最後に、基本的なマナーについてお伝えをしていきます.
就活が終わった学生は数か月後には社会人になります。
これから社会人になる学生にとって、基本的なビジネスマナーは大事になりますので、しっかり就活中に身につけておくといいと思います。
まずは面接会場のお部屋にご案内していただいた時についてです。「ご案内されたお部屋に面接官が待機しているパターン」と「面接官があとから入ってくるパターン」の2パターンに分かれます。
【ご案内されたお部屋に面接官が待機しているパターン】
1パターン目の場合は、ドアを3回ノックをして「失礼いたします」と言って、お部屋に入ります。椅子の横で簡単に大学名とお名前を名乗って挨拶をしましょう。
ここで、「おかけください」と言われるまでは座ってはいけません。
面接官に「おかけください」と言われて初めて「失礼いたします。」と言って座るようにしましょう。
【面接官があとから入ってくるパターン】
2パターン目の場合についてです。
このパターンの時に意外とできていない方が多いです。
面接官がいらっしゃったら立ち上がって挨拶をしましょう。
最悪なのは、面接官が入ってきたときに座って挨拶をしてしまうことです。
その後は1パターン目と同じです。「おかけください」と言われてから座るようにしましょう。
また、入室時に面接官から名刺を渡されるケースもあります。会場の狭さによっては致し方ない場合もありますが、基本的には机を跨がないような形で受け取るようにします。
名刺をいただいた際は、しっかり立ち上がって両手で受け取って「頂戴いたします。」と、ひとこと伝えます。
その後、いただいた名刺は机の右下においておくようにしておきましょう。
何枚も渡される場合は面接官の着席順に並べると分かりやすいかなと思います。
面接が終了するまではしまわないようにおいておくとよいです。
名刺は相手の顔と言われています。くれぐれも裏返しにしたり、しまうときに、雑にポケットにしまったりしないように注意をしてください。
次に履歴書などの提出書類をお渡しする時も気を付ける必要があります。
書類をお渡しする際は、面接官側から見て正しく見えるように向きをそろえてから両手でお渡しをするようにしましょう。
また、「よろしくお願いします。」と、一言添えられるといいですね!
最後に、退出するときです。
学生は面接が終わってホッとしてしまいがちですが、ここで油断してはいけません。
終了時には、椅子に座ったまま「ありがとうございました。」
立ち上がって椅子の横に立ち、もう一度、「ありがとうございました。」
最後に扉の前で「失礼いたします。」
この3拍子を意識してもらえるとよいかと思います。
お部屋から出る際には、面接官に背中を向けないように退出し、挨拶の際は分離礼を忘れないようにしましょう。
会場を出るまで、さらには電車に乗るまで意識するようにするといいと思います。
これで、面接が終了となります。
面接会場に入ってから、家に着くまで、様々なマナーについて意識する必要があります。少しの意識で面接官からの学生への印象は大きく変わるので、とても大事なポイントになることが分かります。
■まとめ
服装や髪型、挨拶による第一印象が悪かったり、マナーができていないなと思われてしまうと、面接も減点方式で評価が進んでしまいます。
しかしながら第一印象がいいと、「この学生いいな」という状態で面接が進んでいきます。
身だしなみ、マナー、第一印象は就活を進めるうえで非常に大事なポイントになります。
就活を始めたばかりの学生が就活を進める上で一番基本的なことである「マナー」の点でつまずいてしまわないようにご支援していただけると幸いです。