ジェイックを利用してくださる学生の中には、希望の業界に絞って就職活動をしていたものの選考がうまくいかず、視野を広げるために相談にくる方がいます。しかし、自身の今までの希望と異なるので志望動機やPR内容に躓くケースがあります。他業界からの切り替えから、どのように就職先が決定していったのか、実際に業界切り替えを経験した学生にインタビューを行いました。
取材協力:首都圏文系大学 4年生 Kさん
3年生夏からインターンに参加。4年生の8月に希望の語学・国際系の企業の最終選考に進むも、全社お見送り。その後ジェイックのWeb面接会*で様々な企業と出会い、10月にIT企業で就職先決定。
*Web面接会は、株式会社ジェイックが学生に無料で提供する就職イベントです。企業約10社と学生約20名が総当たりで15分間の選考を実施し、企業と学生のお互いが次回選考を希望した場合のみ、マッチング(後日、説明会・個別選考を実施)するという仕組みのイベントです。学生は、書類選考なしで様々な業界や職種の説明を聞くことができます。
――就職活動は、いつごろからどんな軸で始めましたか?
大学3年生の夏だったと思います。周りもインターン参加していて、そろそろ自分も…と思いました。国際交流の団体、英会話の企業など学部が国際系だったので関連するインターン先を5・6社受けました。英語が好き、国際交流が好き、食べることが好きということもあり、語学・国際系・食品関連の企業をみていました。今思えば安直だったなと思います。あとは、「お客様と直接コミュニケーションがあること」「成長できること」という軸もありました。
――他業界も広げようとなったのはいつ頃、どんなきっかけだったのですか?
8月に最終面接の企業が2社あり、どちらかに行くだろうと思っていました。英会話の民間企業と国際交流独立行政法人です。ですが、どちらもお見送りになり、5daysのインターンにいったところも1か月待ちましたが、不採用でした…。もう頭が真っ白になりました。いったんは何もせず車の免許合宿に行ったりして就活を忘れようとしていました。 2週間なにもしなかったです。卒業を1年遅らせることも考えました。しかし、「卒業1年遅らせて何をしていたんですか?」と来年企業に聞かれたら、納得させられる自信がないと思い、それなら社会人になったほうが良いと考えました。
その後、自分だけで進むのはもう無理だと感じ、もう藁にも縋る想いで、他力本願でいってみようと考えました。そこでジェイックさん含め2社のエージェントさんに相談にいきました。いろいろ考えて、英語をツールにして仕事ができれば本業にしなくてもよいかと思い、他の業界も見てみようと思いました。
――ジェイックのイベント(Web面接会)に参加されて、マッチングしたのが物流、不動産、ITという今までみていた業界とは全く違う企業でしたよね。その結果はどう感じましたか?
もともと好奇心の強さがあるので、「へ~こんな業界とマッチングしたんだ」という想いと、「(企業さんが、私のことを)気に入ってくれてありがたいな」というのも感じました。また、もともと企業理念は大事にみており、人を大事にしている企業には惹かれていました。マッチングした企業でもその姿勢が感じられたので志望度が高くなりました。
―― 10月にIT企業で内定を取得、就職先を決定されましたが、IT企業の仕事内容をどのようにとらえ、選考ではどんなことをアピールされたのですか?
IT業界は、チームワークが大事でチームで仕事をするというところに関心をもちました。私自身、自分の想いを主張するのは得意ですし、多様性を重んじ、各々が持つ個性を大事にして働きたいと思いました。一方で、自身では協調性が足りないかな?と思うこともあります。我が強いし、こだわりもあるので。社会人として周りの人を信頼して進めていくという成長もしたいとも思いました。選考では、主体性があることやチームで仕事をしてきた話と、知的好奇心が高いからこそITという変化が多い未知の領域にチャレンジしたいことなどを伝えました。
――「お客様と直接コミュニ―ケーションがあること」「成長できること」という軸はそのままに、それを活かせる仕事が他の業界で見つけることができたということでしょうか?
はい。自分一人でやっていた時は、(業界を)広げたくても広げられませんでした。他力本願になって、ようやく広げていただいたという風に思っています。私の友人も1年浪人して22卒で今就活をスタートしていますが、こだわりも強く、私の言う言葉に聞く耳もっていません!(笑)でも私も同じだったなと思って話を聞いています。私は、現在ITパスポートの勉強も楽しく取り組んでいます。
<まとめ>他業界へ視野を広げるうえでの3つのポイント(取材実施:キャリアアドバイザー 木村より)
①価値観・強みの言語化 ②業界・職種の正しい理解 ③学生自身と企業の接点を整理することの3つがポイントです。
今回のKさんが内定を取得したIT企業は、PCスキルよりもコミュニケーション力を重視する企業です。お客様先との接点が多く、チームで仕事をするうえでコミュニケーション力は大切な力と考えています。しかし、学生さんの中には、「IT企業ってずっとPCに向き合う仕事でしょ?」という理解をされる方もいます。業界・職種の正しい理解を促すことで、固定観念や勘違いが払拭され、「自身のやりがいや強みがこの仕事でも叶えられる!」と学生自身が納得感を感じることが業界の切り替えには重要です。また、入社後に定着・活躍するうえでも大事なポイントとなると考えます。